グリア細胞は、神経系のサポート細胞であり、ニューロンの機能を助ける重要な役割を果たします。CNSには以下の3種類の主要なグリア細胞があります。
グリア細胞の種類と特徴
細胞の種類 | 起源 | 特徴 | 役割 |
---|---|---|---|
アストロサイト | 神経外胚葉 | 丸い小胞核、グリア線維を含む | 構造的・代謝的サポート、血液脳関門の維持、修繕 |
オリゴデンドロサイト | 神経外胚葉 | 淡いハローに囲まれた小さな原子核、少ないプロセス | ミエリンの生成、ニューロンの絶縁と信号伝達 |
ミクログリア | 原始的卵黄嚢マクロファージ | 小さな細長い核、短い分岐プロセスが多い | 食作用、損傷したニューロンや細胞の除去 |
アストロサイトの役割とグリア瘢痕形成
アストロサイトは、CNSにおいてニューロンの修復とサポートを行う主要なグリア細胞です。ニューロンが不可逆的に損傷した場合、アストロサイトは増殖し、損傷部位を埋めることで組織の完全性を保つ働きをします。このプロセスは**神経膠症(星状細胞症)**と呼ばれ、CNSの損傷に対する普遍的な反応です。
- 神経膠症: 損傷部位でアストロサイトが増殖し、失われたニューロンを置き換えることでグリア瘢痕を形成します。これにより、ニューロンの死による体積の減少が補われます。
他の損傷反応との違い
- ヒアリン化やアミロイド沈着: これらは細胞外に物質が蓄積するものであり、細胞内のグリア反応とは異なります。
- 線維芽細胞の移動: CNSでは線維芽細胞による修復は行われず、修復はアストロサイトが担います。
- ニューロンの壊死: 損傷したニューロンは肥大せず、細胞死を引き起こし、その後ミクログリアが死細胞を食作用で除去します。
まとめ
CNSにおける損傷反応の一環として、アストロサイトの肥大と増殖(神経膠症)が見られ、これによりグリア瘢痕が形成されます。アストロサイトは、ニューロンの死後に組織を補完し、CNSの構造と機能を維持する役割を果たします。