コリン作動薬は、副交感神経系のアセチルコリン作用を増強する薬剤であり、消化管、心臓、分泌腺、呼吸器系などに多くの影響を与えます。これらの薬剤は、さまざまな臓器でアセチルコリン受容体を刺激し、特定の症状や反応を引き起こします。
コリン作動薬による症状
- 消化管の影響
コリン作動薬は、消化管の平滑筋を収縮させ、消化管の蠕動運動を促進します。その結果、以下のような症状が発生します。- 吐き気、嘔吐
- 腹部のけいれん
- 下痢
- 心臓・血管への影響
コリン作動薬は、心臓の働きを抑制し、心拍数や血圧に影響を与えます。- 徐脈(心拍数の低下)
- 低血圧
- 心ブロック(部分的または完全な心臓伝導のブロック)
- 血管拡張(血圧低下を引き起こす)
- 分泌物の増加
コリン作動薬は、体内の分泌物の量を増やします。- 過度の発汗
- 唾液分泌の増加
- 流涙の増加
- 呼吸器への影響
コリン作動薬は気管支平滑筋を収縮させ、呼吸に影響を与えることがあります。- 気管支収縮
- 気管支分泌の増加(痰が増える)
- 呼吸困難
コリン作動薬の使用例
- ベタネコール:術後イレウス(腸の動きが鈍くなる状態)や非閉塞性尿閉(アトニック膀胱)の治療に使用。
- カルバコール、ピロカルピン:緑内障の治療に使用され、眼圧を下げる効果があります。
教育目的
コリン作動薬は、消化管や膀胱の機能促進や緑内障の治療に用いられますが、さまざまな副作用を引き起こす可能性があります。代表的な副作用には、**吐き気、嘔吐、腹部けいれん、下痢、呼吸困難、過剰な分泌物(発汗、唾液、流涙)**があり、適切な使用が重要です。