小児整形外科では、成長期の子どもに特有の骨や関節、筋肉の疾患を診断し治療します。子どもの運動器系は成長中であるため、早期に適切な治療を行うことで健康な発育をサポートすることができます。ここでは、代表的な小児整形外科疾患についてご紹介します。
1. 発育性股関節形成不全
発育性股関節形成不全は、股関節の発育に異常があり、股関節が脱臼しやすくなる疾患です。早期に発見し、適切な治療を行うことで将来の歩行障害を防ぐことができます。通常、装具を使って股関節を正しい位置に固定し、自然な成長を促します。
2. 内反足(先天性内反足)
内反足は、足が内側に曲がった状態で生まれる先天的な疾患です。治療としては、足を矯正するためのギプスや装具を使用する方法が一般的です。Ponseti法という治療法が広く採用されており、多くの場合、手術をせずに改善が見込まれます。
3. 脊柱側弯症
脊柱側弯症は、背骨が左右に曲がってしまう病気です。軽度の場合は定期的な観察で経過を見ますが、重度になると装具や手術が必要です。特に思春期の急成長期に悪化しやすいため、早期の診断と対応が重要です。
4. オスグッド・シュラッター病
成長期の子どもがよく経験する膝の痛みです。運動(サッカー、バスケット、野球など)をする活発な子どもに多く見られ、骨が成長する速度に筋肉や腱が追いつかないことで痛みが生じます。安静にすることで改善することが多いですが、装具の使用や物理療法が必要な場合もあります。
5. 骨折
子どもの骨は柔軟であるため、大人とは異なる特徴を持った骨折をすることがあります。これを「小児骨折」と呼びます。子どもの骨は成長能力が高いため、適切に治療を行えば通常は早く回復します。しかし、成長に影響を与える場合があるため、早期の治療が必要です。
6. ペルテス病
ペルテス病は、股関節を構成する大腿骨の一部が血流不全により壊死する疾患です。股関節に痛みが生じ、歩行が困難になることがあります。治療としては、装具による負荷軽減や手術が行われることがあります。
小児整形外科疾患の治療について
小児整形外科疾患の治療は、成長を考慮して慎重に行われます。早期の診断と治療によって、将来の運動機能に与える影響を最小限に抑えることができます。気になる症状がある場合は、早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
まとめ
子どもたちが健康に成長するためには、早期発見と適切な治療が重要です。お子様に異常を感じた場合は、ぜひ小児整形外科の専門医にご相談ください。私たちは、子どもたちの健やかな成長を支えるために最善の医療を提供します。