小児脊椎疾患は、子どもたちの脊椎に起こるさまざまな病気や異常を指します。これらの疾患は、成長期の特性に関連するものが多く、早期の発見と治療が非常に重要です。代表的な小児脊椎疾患には、以下のようなものがあります。
1. 脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)
脊柱側弯症は、背骨が左右に曲がる病気です。成長期に発症することが多く、特に思春期前後に進行することがあります。軽度の場合は経過観察のみでよいですが、重度になると矯正装具の使用や手術が必要となることもあります。早期発見が重要で、学校での定期的な検査が推奨されています。
2. 先天性脊椎異常
先天的に脊椎の一部が正しく形成されない場合があります。例えば、脊椎分離症や脊椎癒合不全が挙げられます。これらの異常は、成長とともに症状が現れることが多く、運動機能に影響を与える可能性があります。治療法は、症状の程度によって異なり、軽度の場合は経過観察、重度の場合は手術が行われることがあります。
3. 脊椎骨端症(せきついこったんしょう)
脊椎骨端症は、成長期の子どもに発生する脊椎の骨端部分に影響を与える疾患です。骨端に繰り返される微小外傷が原因で、痛みや変形が生じます。治療は、運動の制限や物理療法、場合によっては手術が必要です。
4. シェルマン病(若年性脊椎後弯症)
シェルマン病は、思春期の子どもに見られる脊椎の後弯(背骨が前方に曲がる)異常です。この病気は、背中の痛みや疲労感を引き起こし、背中が丸まる姿勢が特徴的です。早期に装具を使用して進行を抑えたり、必要に応じて手術が行われることがあります。
5. 脊髄損傷
外傷による脊髄損傷は、事故や転倒などによって起こることがあります。損傷の程度によっては、運動機能や感覚に影響が出る場合があり、早急な治療が必要です。リハビリテーションを通じて、機能回復を図ることが重要です。
小児脊椎疾患の診断と治療
診断には、X線やMRIなどの画像診断が使用されます。早期発見と適切な治療が予後に大きく影響するため、定期的な健康診断や、気になる症状があれば専門医の診察を受けることが推奨されます。
まとめ
小児脊椎疾患は、成長期に特有の問題が多く、早期の診断と治療が重要です。症状が軽度であっても、放置すると将来的な障害につながる可能性があるため、早めの対応が必要です。脊椎に関する不安がある場合は、小児整形外科の専門医に相談してください。