Anterolateral Versus Posterolateral Approach for Lateral Condylar Fractures of the Humerus in Children

Anterolateral Versus Posterolateral Approach for Lateral Condylar Fractures of the Humerus in Children
Authors: Yuji Tomori, Mitsuhiko Nanno, Shinro Takai
Journal: JBJS Open Access, 2020;5:e20.00035. doi: 10.2106/JBJS.OA.20.00035

この研究は、小児の上腕骨外側顆骨折(LCF)に対する前外側(AL)アプローチと後外側(PL)アプローチの臨床・放射線学的転帰を比較し、治療における最適なアプローチを明らかにすることを目的としています。LCFは肘関節周辺の骨折のうち2番目に多いもので、関節内骨折であることから、解剖学的整復が重要とされています。

方法

  • 対象者:15歳未満のLCF患者82例のうち、61例(ALグループ17例、PLグループ44例)が2000年から2019年の間に手術(ORIF)を受け、研究に含まれました。
  • 評価基準:術後の合併症、肘の可動域(ROM)、Baumann角、carrying角(CA)、およびFlynn基準に基づく臨床結果が評価されました。

結果

  • 臨床的評価:ALグループでは17例全員が良好(15例が優、2例が良)な結果を示しましたが、PLグループでは26例(59.1%)のみが優または良の評価を得ました。また、PLグループでは内反肘変形(7例)、偽関節(3例)、および肘関節拘縮(6例)が報告されました。
  • 可動域:PLグループは肘の屈曲および伸展制限が見られ、平均屈曲角度は134.7度、伸展損失は2.6度でしたが、ALグループではこれらの制限はほとんど見られませんでした。
  • 放射線学的評価:PLグループでは骨折整復の不完全さが原因で、Baumann角やCAに顕著な差が見られました。

考察

  • 手技選択の影響:ALアプローチは関節面の可視化が優れており、LCFに対して解剖学的整復を確保するために適していると考えられます。特に、PLアプローチでは視認が難しい肘の前側部位が含まれており、骨癒合や可動域に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 血流障害のリスク:PLアプローチは後方血管に損傷を与える可能性があり、将来的な成長障害や骨壊死のリスクを高める可能性があります。一方で、ALアプローチは後方の血流に影響を与えないため、小児患者にとってはより安全です。

結論

ALアプローチは、視認性と血流保護の観点から、LCFに対する最適なアプローチであると結論づけられました。このアプローチは、治療結果の向上と合併症の減少をもたらす可能性があります。


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