Minimally Invasive Corrective Osteotomy with the Ilizarov Mini-Fixator for Malunited Fractures of the Phalanges: Technical Note

Minimally Invasive Corrective Osteotomy with the Ilizarov Mini-Fixator for Malunited Fractures of the Phalanges: Technical Note
Authors: Yuji Tomori, Mitsuhiko Nanno, Kentaro Sonoki, Tokifumi Majima
Journal: Journal of Nippon Medical School, 2021; 88(3):262-266. doi: 10.1272/jnms.JNMS.2021_88-314

この技術報告では、指の骨折後の変形治癒に対して、Ilizarovミニフィクサーを用いた低侵襲矯正骨切り術を紹介しています。指骨の変形は、骨折後の回旋変形や指の交差などにより手の機能を妨げ、美観上や機能面で問題を引き起こす可能性があります。本手技では、従来の大きな切開を伴う骨切り術とは異なり、小切開と外部固定装置を用いることで腱癒着のリスクを低減し、治癒期間を短縮できる利点があります。

方法

  • 装置:Ilizarovミニフィクサーは、ロッドとヒンジを組み合わせて三次元的に調整できる外部固定装置で、骨延長も可能です。
  • 適応:本法は、近位および中位指骨の変形治癒に適応されますが、メタカーパル骨の変形も治療対象となる場合があります。
  • 手術手技:患者の希望により局所麻酔または全身麻酔を選択し、指骨の既存の骨折線付近に小切開を入れ、専用ピンでミニフィクサーを固定します。完全屈曲した状態で骨切りを行い、ピンの位置を調整して指の正しいアライメントを確保します。

症例

15歳の右利きの男性で、転落事故により第3指近位指骨が変形治癒しました。回旋変形により指の交差が見られ、Ilizarovミニフィクサーを用いて矯正手術が行われました。6週間後には装置を除去し、さらに数週間はナックルスプリントを装着しました。術後24か月のフォローアップで、完全な屈曲と伸展が得られ、機能的な欠陥もありませんでした。

考察

従来の骨切り術に比べ、Ilizarovミニフィクサーを用いた手法は腱への影響を最小限に抑え、正確な矯正が可能です。本法は、短縮が伴う変形に対しても外部固定装置で骨延長を行うことで対応可能ですが、ピン感染のリスクや日常生活への影響が課題として挙げられます。

結論

Ilizarovミニフィクサーを使用した低侵襲矯正手術は、安全で再現性のある方法であり、指骨の変形治癒に対する有効な治療選択肢となり得ます。


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