Current Concepts in Management of Lateral Epicondylosis
Authors: Ruby Gilmor, DO; Ethan A. Remily, DO; John V. Ingari, MD
Journal: The Journal of Hand Surgery (American Volume), 2024; 49(11):1124-1128. doi: 10.1016/j.jhsa.2024.07.003
本論文は、外側上顆症(LE)の管理と治療に関する最新の知見を提供し、症状の発生原因や一般的な治療方法に焦点を当てています。
背景と目的
外側上顆症は、40〜50代に多く見られる肘の痛みの原因であり、反復的な手首の伸展やグリップ動作が腱の微小な損傷と退行変性を引き起こすと考えられています。多くの患者は非手術療法で改善が見られるものの、治療方法や期間には議論の余地が残されています。本稿では、LEの最新の治療選択肢とその効果について検討されています。
非手術療法
- ステロイド注射:短期的な痛みの緩和に効果があるが、長期的には痛みの悪化を引き起こす可能性があり、現在では使用が減少傾向にある。
- 多血小板血漿(PRP)注射:最近のランダム化試験では、PRP注射が長期的な痛みの軽減に有望であることが示されていますが、デバイスや処方の標準化が必要とされています。
- 乾針治療:乾針は痛みや機能評価で良好な結果を示しており、特にステロイド注射と比較して機能改善が確認されています。
- 物理療法:物理療法とカウンターフォースブレース(力を分散させるサポーター)の使用は、症状の軽減に寄与することが多いとされています。
手術療法
非手術療法が効果を示さない場合、手術療法が検討されます。
- 超音波経皮切腱術:低侵襲の治療法で、良好な機能回復が示されています。
- 神経切除:近年注目されており、筋肉の移植と併用することで痛みの軽減が期待されます。
- 開放的・関節鏡的デブリードマン:特に働く人に多いLE患者で検討され、復職までの期間が短縮されると報告されています。
結論
外側上顆症の治療には依然として統一されたガイドラインが存在しないため、患者の重症度や治療反応に応じて非手術および手術のアプローチが必要です。また、患者の症状期間を短縮する非手術療法の効果や、難治性LEに対する最適な手術方法の確立には、さらなる研究が求められます。