労働障害とカドミウム(Cd)

カドミウム(Cd)は、自然界に広く存在する重金属であり、産業用途や日常製品の中でさまざまな形で使用されています。しかし、過度なカドミウム暴露は健康障害を引き起こす可能性があります。特に労働環境での暴露は、一部の産業や作業において重要な健康リスクとなり得ます。

カドミウムによる健康障害の主な特徴は以下の通りです:

  1. 呼吸器系の影響:
    • カドミウムの粉塵や蒸気を吸入すると、肺の炎症や気道障害を引き起こす可能性があります。長期的な暴露は「カドミウム肺」と呼ばれる肺の疾患を引き起こすことが知られています。
  2. 腎臓の影響:
    • 長期的なカドミウム暴露は腎機能障害を引き起こすことが知られており、特に尿中のタンパク排泄の増加を引き起こすことが多いです。
  3. 骨への影響:
    • カドミウムはカルシウムの代謝に影響を与える可能性があり、骨軟化症を引き起こすことがあります。
  4. 発癌性:
    • カドミウムは発癌物質として分類されており、特に肺がんのリスクが高まると考えられています。

労働環境でのカドミウムのリスクは、以下のような産業や作業で特に関連があります:

  • 鉱業: カドミウム鉱石の採掘や精錬作業
  • 電池製造: ニッケルカドミウム電池の製造過程
  • 溶接: カドミウムを含む材料の溶接時
  • メッキ業: カドミウムメッキの過程

労働者を保護するためには、カドミウムの暴露レベルの監視、適切な換気や保護具の使用、定期的な健康診断、そして教育や訓練が必要です。


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