前庭神経核(Vestibular nucleus)は、脳幹に位置する重要な神経核群で、平衡感覚と姿勢制御に関与する中枢です。以下に前庭神経核の主な特徴と機能を説明します。
解剖学的特徴
前庭神経核は4つの主要な核から構成されています:
- 上前庭神経核(Superior vestibular nucleus)
- 下前庭神経核(Inferior vestibular nucleus)
- 外側前庭神経核(Lateral vestibular nucleus、ダイテルス核とも呼ばれる)
- 内側前庭神経核(Medial vestibular nucleus)
これらの核は脳幹の橋と延髄の境界付近に位置しています。
神経接続
前庭神経核は以下の構造と相互に接続しています:
- 内耳の前庭器官
- 小脳(特に前庭小脳)
- 脊髄
- 眼球運動を制御する脳神経核
- 大脳皮質の前庭領域
主な機能
前庭神経核の主な機能は以下の通りです:
- 平衡感覚の処理:内耳からの前庭情報を処理し、身体の位置や動きを感知します。
- 姿勢制御:脊髄運動ニューロンに信号を送り、姿勢の維持と調整を行います。
- 前庭動眼反射:頭部の動きに応じて眼球運動を調整し、視覚的安定性を維持します。
- 空間認識:身体の空間における位置と動きの認識に寄与します。
- 自律神経系への影響:乗り物酔いなどの前庭刺激に関連する自律神経反応に関与します。
臨床的意義
前庭神経核の機能障害は、以下のような症状を引き起こす可能性があります:
- めまい
- 平衡障害
- 眼振
- 吐き気
- 空間認識の問題
これらの症状は、前庭神経炎、メニエール病、脳卒中などの疾患で見られることがあります。
前庭神経核は、平衡感覚と姿勢制御において中心的な役割を果たす重要な神経構造です。その機能を理解することは、めまいや平衡障害の診断や治療に不可欠です。