種類と原因
とびひ(Impetigo)は、小児の顔や四肢に発生する表在性細菌感染症です。主に以下の2つのタイプがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
非水疱性(Nonbullous) | より一般的なタイプで、パピュール(Papules)が膿疱(Pustules)に進行し、ハチミツ色のかさぶたを形成します。 |
水疱性(Bullous) | 膜が薄く柔らかい水疱(Flaccid Bullae)が形成され、破裂後に薄茶色のかさぶたができます。 |
微生物学
細菌 | 非水疱性とびひ | 水疱性とびひ |
---|---|---|
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) | 最も一般的 | 主な原因 |
A群連鎖球菌(Group A Streptococcus, GAS) | 二次的な原因 | 関与しない |
発症メカニズムと臨床症状
- 非水疱性とびひ:皮膚の損傷を介して感染し、一般的に炎症反応を引き起こします。初期は赤く少しかゆみや痛みを伴うパピュールとして現れ、膿疱に変化し、その後ハチミツ色のかさぶたを形成します。ニコルスキー徴候(Nikolsky Sign)は陰性です。
- 水疱性とびひ:皮膚の付着分子(デスモグレインなど)を破壊する剥脱毒素(Exfoliative Toxin)により、水疱が形成されます。これらは破裂して薄茶色のかさぶたになります。ニコルスキー徴候は陽性です。
合併症
細菌 | 合併症 |
---|---|
A群連鎖球菌(GAS) | 糸球体腎炎(Poststreptococcal Glomerulonephritis, PSGN):免疫複合体沈着による腎障害 |
黄色ブドウ球菌(S. aureus) | ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(Staphylococcal Scalded Skin Syndrome):全身性の皮膚剥離を引き起こす |
糸球体腎炎(PSGN)の特徴
GASによるとびひの少数の患者は、数週間後に糸球体腎炎(Poststreptococcal Glomerulonephritis, PSGN)を発症することがあります。免疫複合体が腎の基底膜に沈着し、補体の活性化を引き起こし、炎症反応が腎組織を損傷します。
- 主な症状:タンパク尿(Proteinuria)、血尿(Hematuria)、目の周りのむくみ(Periorbital Edema)、全身性浮腫、高血圧
- 尿の特徴:紅茶色やコーラ色の尿
- 検査所見:クレアチニンの上昇、補体C3の低下
他の疾患との比較
疾患 | 説明 |
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ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré Syndrome) | 上行性の筋力低下を特徴とし、主に上気道感染や消化管感染に続発するが、GAS感染とは関連しない。 |
急性リウマチ熱(Acute Rheumatic Fever, ARF) | 新たな心雑音や心炎を引き起こすことがあるが、これはGAS咽頭炎に関連し、一般的にとびひとは関連しない。 |
反応性関節炎(Reactive Arthritis) | 下痢(例:サルモネラ)や泌尿生殖器感染に続発する関節痛を伴うが、とびひには関係しない。 |
ベル麻痺(Bell Palsy) | 顔面神経の一側性の麻痺で、主に特発性またはウイルス感染に関連する。 |
まとめ
とびひは、黄色ブドウ球菌またはA群連鎖球菌によって引き起こされる表在性細菌感染症です。GASが原因の場合、後に糸球体腎炎を引き起こすことがありますが、急性リウマチ熱は主に咽頭炎に関連しています。適切な抗生物質治療が予後改善に寄与します。
Original Text in English:
This child has impetigo, a superficial bacterial infection most commonly caused by Staphylococcus aureus or Streptococcus pyogenes. Nonbullous impetigo presents with papules and honey-colored crusts, while bullous impetigo forms vesicles that rupture, leaving brown crusts. Group A Streptococcus can lead to poststreptococcal glomerulonephritis, characterized by proteinuria, hematuria, and edema.