「テニス肘」とも呼ばれる「外側上顆炎 (lateral epicondylosis)」は、肘の外側に痛みを引き起こす一般的な状態で、特にラケットスポーツや肉体労働を行う40~50歳の人々に多く見られます。この病気は、手首や前腕の繰り返しの動作による外側の腱の微小損傷が原因と考えられています。典型的には、運動や仕事を控えることで症状が和らぎますが、改善が難しい場合には、さまざまな治療法が検討されます。
主な治療法
- 非手術療法
- 薬物療法:消炎鎮痛剤(NSAIDs)やステロイド注射が短期間での症状緩和に役立つことが報告されていますが、長期間使用すると症状が悪化する可能性も示唆されています。
- PRP(多血小板血漿)注射:PRP療法は長期的な痛みの緩和に有効とされていますが、医療機関によって効果にばらつきがあるため、標準化が必要とされています。
- 物理療法と装具:理学療法やストレッチ、テーピング、サポーターの装着も有効で、約80~90%の患者がこれらの方法で症状の改善を経験するとされています。
- 手術療法
- 超音波ガイド下経皮的腱切開:この新しい治療法は、外来で実施可能なため低侵襲であり、機能の回復が良好との結果が出ています。
- 神経切断術:神経ブロックが有効だった患者に対し、一部の神経を切断して痛みを軽減する手術が行われることがありますが、一部の患者に感覚異常が残ることもあります。
- 関節鏡手術:腱を切開して病変組織を除去する手術法で、回復が早いという報告もあります。従来の開放手術と比べて、低侵襲でリハビリ期間が短縮される可能性があります。
治療選択の難しさ
外側上顆炎の治療法においては、統一した推奨がないため、医師の間でも意見が分かれることがあります。長期的な症状緩和を目指して、患者の状態や生活スタイルに合わせて、最適な治療法を選択することが重要です。